雷峰の旅日記 北海道編
5月7日 2日目

雨の音で目が覚めてふと時計を見ると、まだ午前3時だ。今日の天気が気になりテレビをつけてNHKにチャンネルを変えると、無言の天気予報が流れていた。どう転んでも日中の天気回復は望めそうにない。こうなると昼過ぎまで網走の市内観光を余儀なくされそうだ。これも一考かななどと考えているうちに前日同様目が冴えてきた。
それからは何度寝返りを打っても寝付けないし、眠ろうと思うほど今日の行程が楽しみで、ますます目が冴えてしまった。まるで子供の遠足のようである。こうなったら私に出来るのは呑むことしかない。前日残ってしまった芋焼酎を水割りにしてちびちびとやりながら、地図を眺め今日の行程を模索する。「今回の旅行はインターネットで事前情報を収集しているからバッチリ任せて」と皆に大見得を切っているので、失敗は許されないのだ。
そうこうしている内に今日の昼から運転予定のKちゃんが起きてきて、昼からは運転なので朝のうちに呑むと言ってビールを買いに行った。Kちゃんは酒が強いので2リットルくらいのビールであれば6時間も空ければ酔いは覚めるだろうということで、タイムリミットを6時と決め、今日の予定や昨日のことなどの話を肴に二人で早朝の酒盛りをはじめた。
車の運転があるKちゃんは念のためタイムリミット30分前に呑みやめたが、私は朝食の時間まで、いや朝食時も500ミリと350ミリのサッポロクラシックを呑んだので出発まで呑みつづけたことになる。
ちょっとした旅館の夕食並みの朝食を食べ終えた一行は、「船長の家」前にある市場風の土産物屋に寄ってそれぞれ土産を買っている。私もホッケ、ホッキ貝等を買ったが、昨日の蟹の食べすぎもあって、蟹を買う気にはなれなかった。皆が真剣に買い物をしている途中、腹具合が悪くなったので「船長の家」に戻りトイレを借りた。やはり呑みすぎ?
トイレから戻ると出発の用意が出来ていて、私を乗せるとすぐに「船長の家」を後に網走刑務所へ向かった。主要観光地は事前にカーナビへ登録しているので、道に迷うこともなく網走川畔の網走刑務所前へ着いた。ここには駐車場も見当たらないので車に残ると言う、今日午前中の運転手Yちゃんを残してメンバーは刑務所正門前で記念写真を撮った。
記念写真を撮ったら博物館網走監獄へ・・。約5分くらいで博物館へ到着した。生憎の小雨の中、貸し傘を借りてしばし見学を楽しんだ。途中、ガイドさんの貴重な話を聞くことが出来て網走監獄が開設された当時の受刑者の過酷な労働や待遇を知ることが出来て切ない気持ちにもなった。
一通り見学を終えるとお決まりの売店でお土産探しである。土産物買いは家内に任せて、私はこっそりビールを探しに店内を廻る。おっとあるある、サッポロクラシックが。
500ミリを2本買い込み売店を出て、休憩スペースのベンチに座ってビールをグビリ・・・。ふと目の前を見ると美味しそうなフランクフルトを売っている。迷わず1本買ってつまみにした。昨日今日と海鮮物尽くしだっただけに肉系がやけに美味しく感じられた。
ちょうど2本飲み終えた頃、皆が売店から出てきたので網走監獄にさよならをすることにし、オホーツク流氷館に向かう。
オホーツク流氷館ではクリオネを見たり、氷点下25℃世界を経験したり、感動的なシアターを見たりした後、昼食を摂る事とした。
魚介物に少し飽きてきている他のメンバーはラーメンを注文していたが、私はここでも酒の肴にと、ニシン定食を注文し網走地ビールと冷酒の供にした。
ここでこれまで運転手を務めたYちゃんから意外な言葉が出た。昼から運転手をすることになっていたKちゃんに「昼からも運転をするので、Kちゃん飲んでもいいよ。」
これには皆が驚いたが、さっきまでシュンとしていたKちゃんの目の輝きが元に戻った。Yちゃんに何度も確認を取ると安心して地ビールを美味しそうに飲み始めた。Kちゃんの嬉しそうな顔が印象的だった。
それにしても天気が悪い(-_-;)天気がよければこのレストランからもオホーツク海が見えると聞いていたのに残念だ。しかしどうなるものでもないので、お腹がふくれたところで次の目的地を目指すことにする。
午後1時過ぎには目的地藻琴駅に着いた。駅に併設された喫茶店「トロッコ」でメンバーはそれぞれジュースやアイスなどを楽しんでいたが、私もさすがにここでは酔い覚ましのためホットコーヒーにとどめた。トイレを借り戻ってくるときにふとテーブル席を見ると沢山の名刺を挟んでいる。私も1枚名刺を挟んで戻った。
続いて隣の駅「北浜駅」に向かいオホーツク海との近さを確認し写真をとって先を急いだ。
次の目的地は硫黄山だ。小清水町を抜けて野上峠まで左右に見える止別川が傾斜とは逆に流れているような不思議な感覚に皆が驚いていた。
峠を越えるとすぐに硫黄山へ到着。早速、看板の前で記念撮影をした。記念撮影時にいち早くやってくるのは必ず最年長のMちゃんだ。続いて我が家内。だから二人のツーショット写真がやたらに多いのだ。
何時の間にか雨もやみ、いよいよ観光気分が出てきた。
一行はまたレストハウスで買い物だ。私はもちろんビールとつまみを買い込む。なにぶんものぐさな連中なので噴煙の上がっている付近に近づこうとする人もいず、写真を撮って買い物を済ませれば長居は無用と、次の目的地、摩周湖第一展望台を目指す。
国道から道道へ入り標高が上がるにつれ霧が濃くなってきた。これでは摩周湖の湖面を見ることは出来ないだろう。第三展望台を過ぎたが、その存在もやっと確認できるくらいのひどい霧だった。
深い霧の中、やっと第一展望台へついたが、この霧では湖面ばかりか摩周湖の形も何も見えない。仕方が無いのでここでも看板をバックに記念撮影をしてから買い物だ。
右の写真でお分かりでしょうが、こんな霧です。
ここでもいち早く駆けつける、Mちゃんと家内である。
ま、とにかく摩周湖に来たぞという期成事実を作っただけでもよしとしよう。
景色を眺めることなく摩周湖第一展望台を後にした。
弟子屈につく頃には霧もすっかり晴れて、北海道らしいまっすぐな道路を満喫しつつ釧路湿原を目指す。
右にシラルトロ湖を眺めながら車は南下する。北海道の土産物屋さんで売られているマリモは、このシラルトロ湖の藻を丸めたものらしい。明日行く予定の阿寒湖のマリモは採取禁止だそうだ。
左に塘路湖を確認するといよいよ湿原に近づいてきた。
国道を右に入り達古武沼を過ぎると釧路湿原細岡展望台に到着した。